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【社員対談】私たちだからこそ伝えられる これからを担う次世代に届ける想いとは-ファンドマネージャー 長島和希・原由香里・李文哲

アクティブに挑戦し続ける当社の社員を紹介するマガジン「Be Active.」。
今回は対談企画として、30~40代のファンドマネージャーが集まり、仕事の話を中心に資産運用の必要性や、次世代へ届けたい思いを語り合いました。


-この仕事のここが面白い!自分なりの楽しみ方


運用部 リートグループ / 李 文哲(り ふみてつ)


 僕の仕事は不動産関連の投資なので、ビルや施設の現物が見られるっていうのが結構楽しいです。
不動産って言うと、このあたりのオフィスビルもそうですし、普段私たちが行くようなショッピングモールなどの商業施設もそうですよね。

なかでも商業施設はそれぞれ特色があって、例えば、不動産の紹介資料では「好立地で繁華街の駅近です」と良さそうに書かれていても、実際に見に行くと全然お客さんが入っていないとかあって。なぜなんだろうって結構不思議じゃないですか。そういったのを目で見て確かめるのが面白いです。

 どんなところを気にして見ているんですか?

 商業施設の場合は客層や雰囲気ですね。資料を見ただけでは分かりづらくて、実際行ってみないと分からないところだと思うので。
特に海外だとイメージするのもなかなか難しいので、海外出張では特に意識して見ています。

長島 そうやって現地で実際に見て仕入れた情報を、銘柄を選ぶときにどう落とし込んでいくのか、そのプロセスが結構難しそうですね。
例えばパフォーマンスに結び付いたケースとか、損失回避に繋がったケースなどはありますか?

 ポートフォリオを組むときに役立ちますね。商業施設リートなら、景気が悪くなりそうな時は、ブランド店の多い都市型モールよりも地域密着型なスーパーを多く持つリートに注目したりします。

それと、社内外で説明するときに、どんな物件でどんな特徴があってというのを自分の言葉で言えるので、説得力を持たせることにもつながります。
ファンドマネージャーはプレゼン力も大事な能力だと認識していますので。
実際に行ってみないと体験できないので、海外出張も年に1回は必ず行きます。そういえば、つい最近オーストラリアに行ってきました。

結構スケジュールがタイトで弾丸出張だったんです。現地で車に乗って、本当に朝から晩まででした。笑
物件に到着して中に入って、責任者の方に解説してもらいながら見て回って、終わって出て車に乗って、また次の物件へ、みたいな。

長島 一日に何件くらい回るんですか?

 多い時は20件くらい。笑

長島 そんなに!?

 信じられない!すごいです。笑

 商業施設だと結構時間がかかるんですけど、オフィスビルはそこまで時間がかからないので。長島さんはどうですか?

運用部 運用開発グループ / 長島 和希(ながしま かずき)


長島
 僕はたくさんあるんですよ、楽しいところが。笑 ひとつは、知的好奇心を刺激されるところです。
僕は債券のクオンツアナリストを担当していて、数学的・統計的手法を使ってプログラミングで運用モデルを開発していくことがメインの業務なのですが、その分析のアプローチ方法はすごくたくさんあります。
例えば、大量の銘柄やポジションを分析して、共通の因子を抽出してそれに投資するファクター投資や、時系列の価格の動きを分析してパターンを発掘したり、あとは、デリバティブの価格情報からマーケットの異常を検知するシグナルを算出したりとか。

また、世界中のニュースやSNSなどのテキスト情報をプログラミングで分析して、企業のポジティブ・ネガティブを判定したり、本当に幅広い。いろんな分析手法があって、それに出会って「じゃあ、自分も試してみたい!」「どういう結果が出るんだろう?」っていう、そこは結構ワクワクしますし、一番面白いところですね。

 結構マニアックですね。笑

オルタナティブ運用部 プロジェクト運用グループ / 原 由香里(はら ゆかり)


 私は担当しているプロダクトがニッチということもあって比較的マーケットが小さいので、歴が浅くても結構詳しくなれるところが楽しいです。2020年の4月にオルタナティブ運用部に異動したので、実質3年半ですが、そのくらいでもわりと精通できます。

 どういうことに詳しくなるんですか?

 CATボンド(大災害債券)を自社で運用しているんですけれども、日本国内で運用している会社って3社しかなくて、かつ、当社は助言から運用までが国内で完結していて、ファンドマネージャーも国内にいるというのが特徴です。日本国内のお客さまにとっては情報開示やコミュニケーションの観点からみても非常に良いことなんじゃないかなって。

伝統的資産に比べてマーケットの規模はまだまだ小さいんですけど、保険マーケットや災害関連の情報ソースは色々あって。人の異動も結構多くて「誰がどこに移った」とかすぐニュースになる。笑 もちろんマーケット動向や自然災害や保険損害見込みの情報も入ってきます。そういった皆さんが使っているような情報ソースだと上がってこないような情報をお客さまに還元したりできます。

普段から自然災害の情報には敏感になってニュースでもチェックしますし、ハリケーンシーズンになると毎日ハリケーンの動きを観察していますので詳しくなります。笑 

長島 お客さまに還元っていう意味だと、パフォーマンスが上手く出た時は面白いですね。これは運用する人なら誰でもそうだとは思うんですけど。笑
僕の場合は、運用モデルの開発で過去データを使ったバックテストシミュレーションをよくやるんですけど、まぁ言ってしまえば、バックテストではパフォーマンスが良いものって簡単に作ることができるんです。でも、そういうモデルはいざ運用が始まると全然うまくいかない、いわゆる過剰適合・オーバーフィッティングが起きているケースもあります。そのようなことにならないよう、細心の注意を払って分析をする必要があります。

その時に大事なのが、なぜリターンが出ているのか、その裏にあるリスクが何なのかをしっかり整理すること。自分なりに理論を考えてそのプレミアムとリスクを定量化して捉えて、有効性の検証・理論の修正というトライアンドエラーを繰り返す。その過程を経て、自分の考えが整理されて、そして良いものができる・リターンが出るっていうのはやっぱりすごく楽しい。充実感とか、達成感っていうのをものすごく感じます。

 それはもう何にもかえがたいですよね。

長島 そうですね。僕の思った通りだったんだって。

 CATボンドって変動金利に加えて、上乗せの保険プレミアムがもらえるので、長期で投資していれば儲かると思っているんですよ、私は。ただ一方で、大きな自然災害が発生すると大きな下落に繋がるので、それをまたコツコツ取り戻していくみたいな感じなんですけど、長期間で見たら勝てると思って信念を持ってやっています。

長島 めちゃめちゃ共感できますね。リスクを取る対価としてのプレミアムが長い時間をかけて積み上がっていく、っていう考え方がすごく好きで、クオンツのモデル作る時もそこは大事にしています。

 みんなそれぞれ熱い思いがあるんですね!



-資産運用って本当に必要?一歩踏む出すためには


長島 資産運用の必要性を感じないと、なかなかねーとは思う反面、これまで日本ってずっとデフレだったのでその必要性を感じづらかったとは思うんです。足元は日本も世界も物価が上がってきているので、単純に預貯金だけ持っているのだと資産価値は目減りしてしまう。その現状を認識するのは大事かなとは思います。

 難しいのは、預貯金のままだと損するってわかっていても「でも、投資しても損する可能性はあるよね」と言われたら、「あ、そうですね」ってなっちゃいますよね。

ただ、株式投資だと自分で納得した投資先に投資できる反面、個人で銘柄選定を行いポートフォリオを組んでウォッチして、場合によっては売ったり、別の銘柄を買ったりして、という事が発生します。上手く運用するにはそれなりの知識も必要です。

もし「まだ銘柄を見極める自信がない」っていう場合は、プロに運用をまかせる投資信託というのも選択肢のひとつとして考えてもいいのかな、と思っています。

長島 あと、いきなり大きな金額から始めるのも「損をしたらどうしよう」っていう不安があると思うので、時間分散ができる積み立て投資はハードルが低いんじゃないかなと思います。

 僕は、少しでも興味があるのなら、最初の一歩は経験値を上げる感覚でやってみた方がいいんじゃないかなと思います。変に期待せず、楽しむつもりで。例えば、100円でも1,000円でもまずは何かに投資してみて、あとはあまり気にせず一定期間は放置して。そして、ある時点で見てみたらどうなっているのか。あとは自分の気持ちに聞いたらいいと思います。

あまり難しく考えるのではなく、なくても困らない金額でまずはチャレンジしてみるっていうのが大事だと思います。
その一歩が資産運用の場合、一番大事だと思うので。

 やろうかやらないか迷うくらい興味を持ったのであれば、とりあえずやってみたらいいと思う。その経験は必ず自分の糧になると思いますし、やってみないと分からないので。

長島 確かに。投資したからこそ見えてくるものがある気がします。投資信託を買ってみて、万が一損したときに「なぜ損したのか?じゃあ、別のファンドの動きを見てみよう」ってなった時、もし別のファンドが値上がりしているなら、その理由を考えるようになる。

例えば、保有しているファンドが株式中心で、別のファンドが債券中心なら、「この二つを組み合わせれば分散効果でリターンが安定するんじゃないか」という発想に繋がるかもしれない。
長いで目で見ていけば、さっき原さんも仰っていたように、リスクに対するプレミアも得られると思うので、最初から中長期的な目線を持つことも大事ですね。

 日本ではお金を持っているとか、お金を儲けるっていうと、あまり良いイメージがないじゃないですか。

 中国ではお金を儲けた成功体験をみなさん何の悪気もなくオープンに話し合います。
日本は損した話は良くするけど儲かった話はあまりしなくて、逆に海外では成功した話しかしない。文化が違うんだと思うんだけど、世の中色々なものが発達してどんどんグローバル化しているので、特に若い方は資産運用に興味を持つ人が増えている感じがします。

 資産運用に対する雰囲気はこれから変わっていきそうな気がしますね。もっと身近な存在になれるように私たちも頑張らないと。
その一歩を踏み出す時に頼れる存在でありたいですね。


-私たちだからこそできる!次世代へのアドバイス


長島 そうですね、好きな言葉に「Do it yourself」って言葉があって、自分なりに考えてやってみるっていうことが大事だと思っています。ファンドマネージャーって、個性的とか、頑固って言われる人が多いと思うんです。それってたぶん、その人たちが過去に自分なりに考えていろんなトライアンドエラーを繰り返して得た経験や知識というものがあって、その過程で自分の信念・信条が形成されているのかな、と。

それを拠り所・揺るぎないものにすることで、他の人には実現できないような圧倒的なパフォーマンスが得られるんだと思います。
人の意見を鵜吞みにして失敗しても、それは自分の成長に繋がらないけど、自分なりに考えて失敗したのなら反省ができる。それが次のプロセスに繋がって、自分のスタイルを形成していくんだと思います。

 僕、ブローカーの意見を参考にしがちです。笑

長島 参考にして知見を広げるのは大事ですよね。こういう見方もあるんだっていうのを知るのは重要だと思う。ただそれを鵜呑みにするのは違うかなーと。資産運用もそうですよね。SNSの情報や有名人の言葉をそのまま鵜呑みにせず、それを聞いた上で自分なりに考えて結論を出して行動するのが良いと思います。

 特に20代は色々詰め込める時期だと思いますね。仕事もプライベートも。学生から社会人になって、本当に人生の転換期だと思うので、その時期にいろんなことに手を伸ばしてみるっていうのはすごくいいんじゃないかなって思います。

僕の場合ですと、会社の留学制度でイギリスへ行ったのはやっぱり印象に残る出来事でした。ちょうどコロナが流行し始めた頃だったので、ロックダウンを経験したり、イギリスまで行ったのにオンライン授業だったりで、結構特殊な時期だったんですけど、現地に行かないと知らないままだったなということがすごく多くて。

2021年からイギリスではスポーツスタジアムやライブイベントとかも、PCR検査陰性の自己申告で入れるようになったんですけど、なにせ自己申告なので実態はゆるゆるで。当時の日本のメディアをみると、「イギリスはこうやって条件付けて正常化しようとしてて、政府がしっかり運営している」という論調だったんですけど、現地にいる身としては完全に形だけの運営なんだけどねという感覚でした。こういうのは留学したからこそ実感できたものです。

 私も似たような話ですが、やりたい事や興味のあることはとりあえずやってみる!やってみれば、それが自分にとってプラスだったかプラスじゃなかったか分かるし、経験してみないとわからないことも多いので。

結局、やらされたことで自分が成長するっていうのはすごく難しいと思っているので、まずは自分のやりたいことをやってみる。そして、やらされたことの中でも「これは楽しいと思うからもっとやってみたい」とか、「これは合わないから違う事にチャレンジしたい」とかそういう思いが出てきたら声を上げてみる。後悔しないように。

それに経験を重ねると、どんどん、やりたいこともなくなってくるし、やりたいと思っても取り組むまでのハードルが上がってくるというか、腰が重くなってくるので。笑

長島・李 確かに!笑

 現状を変えて新しいことにチャレンジしたいな、とかっていうのは、経験を重ねるごとに難しくなってくるんで。もちろん、何かを始めるのに遅すぎるという事はないし、いくつになってもチャレンジングな人もいます。ただ、若いうちはいくらでも修正がきくと思うから、何事も好奇心を持ってチャレンジしてください。やりたいことをやったほうがいいです。



プロフィール
 
運用部 運用開発グループ
長島 和希(ながしま かずき)

2012年大和住銀投信投資顧問(現三井住友DSアセットマネジメント)入社。債券のクオンツアナリストとして、数学的・統計的手法を用いて、市場や銘柄・ポートフォリオの分析業務に従事。プログラミングを使い、定量運用モデルの開発を行う。好きな食べ物はピッツァ。デリバリーピザも好きだが、年を重ねるごとに、本場のナポリピッツァの美味しさに目覚める。
イタリア旅行で、わざわざナポリまでピザを食べに行ったことも。


運用部 リートグループ
李 文哲(り ふみてつ)

2015年三井住友アセットマネジメント(現三井住友DSアセットマネジメント)入社。国内ではめずらしい、不動産に投資する不動産投資信託(リート)専門のファンドマネージャーとして、J-REITのみならず、アジアリート、オセアニアリートを担当。好きな食べ物はラーメン。出身国である中国のラーメンより日本のラーメンの方がスープも麺も好みである。
イギリス留学中は、日本から冷凍ラーメンを送ってもらうほど。


オルタナティブ運用部 プロジェクト運用グループ
原 由香里(はら ゆかり)

2011年三井住友アセットマネジメント(現三井住友DSアセットマネジメント)入社。保険戦略のファンドマネージャーとして、自社運用のCATボンドファンドや、保険リスク関連のファンドを担当。自然災害に関する情報を収集し、ポートフォリオの組み入れを行う。好きな食べ物はしょっぱい食べ物とお酒。甘いものよりは、餃子とビールのような組み合わせが好き。
最近は自宅にあるソーダストリームでハイボールを楽しむ。

(2023年10月時点)



-【おまけ】人生で一度はチャレンジしてみたい事!


長島、李、原 いっぱいあります!笑

長島 旅行で色々な場所へ行ってみたいとかもあるけど、やっぱりピザ窯でピザを焼きたいですね。お店のように。

 それって、ピザ窯を造るってことですか?

長島 将来的には自分で造りたいんですけど、奥さんに許してもらえるか分かんない。笑 結構高いんで。
自分で造ったピザ窯じゃなくてもいいんで、どのくらい味が違うのかやってみたいですね。

李、原 それはわりとすぐにできるんじゃないですか?笑

長島 すぐできますかね!笑 え、なんか夢のスケール小さい、恥ずかしいです。

長島 お二人はどうですか?

 私は、ヘリスキー!日本でもいいんですけど、できれば海外へ行って。ヘリで山の上まで登って、上から滑って下りてくるやつは1回やってみたいです。まだやったことないので。ヘリで山のてっぺんまで連れてってくれるから、そこからこうスーッと下りて。

 クロスカントリーとかやるんですか?

 クロスカントリーはちょっとやらないんですけど。笑 スノーボーダーではあります。

 ヘリスキーはYouTubeとかで面白い動画結構ありますよね。エクストリームスポーツとか。

長島 楽しみにしています。原さんが滑っている動画。笑

 いいですね。僕はコロナの時にイギリス行って、ちょっとしかサッカーが見られなかったので、イギリスでサッカーをたらふく観たいです。サッカー大好きなので。

長島 そしたら山頂でリフティングはどうですか。笑

 めちゃくちゃ過酷なサッカー観戦ですね。笑

 面白そうですけど、そういうのも。

長島 今日の夕飯はピザっすね。

 間違いない。笑

 じゃあ、山頂でサッカーしてピザ食べましょうか!笑
 
おわり。


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