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子供たちが未来を感じる国にしたい、その考え方の原点とは ファンドマネージャー 渡辺 綾子

アクティブに挑戦し続ける当社の社員を紹介するマガジン「Be Active.」。
第六回は、企業との深いコミュニケーションを通じた運用を行うバリュー+αグループに所属し、エンゲージメントへの貢献やジャパンインパクト投資などの新プロダクトの立ち上げに従事する渡辺FMをご紹介します。


自分で望んだ世界だから「できない」なんて考えない

最初から「できない」「やらない」と考えることはなくて、まずは「どうしたらできるか」を考えます。考えた結果、多少の辛さを感じることであっても向き合います。その先に成長があると信じていますし、クリアすれば自信がついて「また頑張ろう」って思えるから。その繰り返しですね。

ファンドマネージャーになってからは、自分の力不足や思考の至らなさを認識させられる場面もあり、上手く行かないときは悔しくて泣くこともありました。「あの自信は何だったんだ」と落ち込む事もありました。
ただ、学生時代も今も自分で望んだ世界に身を置いているので、その中で難しいことがあっても「できない」「やらない」なんて考えません。
サポートしてくれる方々や同じチームの仲間の声掛けに応えたいというのもあります。

「0から1」を生み出す作業は苦しいのは当たり前で、誰にでもできる事ではないから「絶対成し遂げてやる!」と思っています。負けず嫌いなんでしょうね(笑)。その気持ちが支えになっているように思います。


エネルギッシュに忙しく過ごす休日

週末は、家事全般と子供のお稽古の送迎、その合間を縫って、最近始めたサッカーと昔から好きなバイオリンを楽しんでいます。
さらに、時間が合えば子供たちのサッカーの応援に行ったり、ピラティスやよもぎ蒸しで自身のメンテナンスをしたりします。
まぁ、とにかく忙しくしていますね(笑)。

何事もエネルギッシュに取り組むことが好きで、子供のサッカーもいつも本気で応援しています。
つい「走れ!そっち、そっち!」「集中、集中!ボール見て!」と声を掛けてしまいますが、私の声が大きいので子供たちには「ママのせいで集中できなかった」と言われることがよくあります。友達にも「今日も○○君のママ元気だったね!」と言われて少し恥ずかしい気持ちもありますが、常にチャレンジする気持ちを持っていてほしいし、相手にボールを取られてもあきらめず次の行動を考えられるようになってほしいと思っているので。

子供にはできるだけ多くの成功体験を積ませてあげたくて、そのためにできるサポートは色々したいです。


サッカーを通して感じる子供の成長

なので、サポートしながら一緒に楽しめるように、私もサッカーを始めました!「ママ、色々言うけどサッカーやったことないじゃん。」と子供たちに言われないためにも(笑)。

今、地域の女子サッカークラブで活動していますが、実際やってみると大変ですね。蹴りたい方向にボールは飛んでいかないし、イメージはバッチリなのに身体が思った通りに動かないし。頭脳も視力も子供よりは上なのにフィジカルで負けてしまいますね。今のところ先輩ママの指示通りに動くのが精一杯です。「丁寧なインサイドをやれ」って言われるんですけど難しくて・・・。
一度、小学高学年チームとの試合に出場したことがありますが、結果はボロ負けでした。普段は子供たちに「ああしろ、こうしろ」と偉そうにアドバイスしているのに。

そういえば、子供と一緒にバイオリンを弾いている時も「ママ音程ずれてるよ。」なんて、最近は言われるようになりました。子供の成長ってすごいですね!あっという間に追い抜かれちゃいますね。


昔からやりたい事への努力は惜しまなかった

幼少期からバイオリンを習っていて、この世界では有名な先生の下へ稽古に通っていました。厳しくも丁寧に教えてくださる先生でしたが、できるようになるまで何度も何度も練習するので、稽古に行きたくないと思う日もありました。正しい姿勢で正しい音程を掴むのは難しくて、合奏の時は音をはずせないプレッシャーもありました。
自分より少し年上の子が上手に弾いている姿は本当にかっこよくて、「私もああなりたい!」という憧れのような気持ちを原動力に稽古に励みましたね。

高校からはオーケストラ部に入って、コンサートミストレスになるまで頑張りました。コンサートマスターと同じ意味で1stバイオリンに置かれるオーケストラをまとめる女性のポジションのことです。練習はきつかったですが、合奏の輪の中にいる感覚は鳥肌が立つほど感動的で、自分の演奏を高く評価してもらえた時は「頑張ってよかった」と心から思えました。辛い時期を音楽に救われた部分もあるので、バイオリンは私の人生から切り離せないですね。


金融の世界への興味はゼミがきっかけ

大学ではサークル活動や飲み会ばかりの同級生に馴染めず、「こんな事をするために大学に入ったんじゃない」と悶々とした日々を過ごす中で、2年生の時に出会ったゼミが大きな転機になりました。
“とにかく厳しく勉強ができるゼミ”を探して見つけたのが、個性的な先生が指導する金融論のゼミ。研究室でもある先生のお部屋は“本の中に椅子がある“という感じでした。

「この本と、この本と・・・」と先生が選ぶたくさんの本を持ち帰って読んだり、あらゆる新聞の記事を切り出して先生と議論したり、本棚に囲まれた狭いスペースで10年分の財務諸表の打ち込みをしたり。私があまりにも熱心だったからか、たまにお昼ご飯をおごってもらっていました(笑)。

ゼミの合宿では朝8時半から夜9時まで金融論について議論して、そのあとも朝まで“日本の銀行”を題材に先輩たちと話し続けるような異端な生徒でした。そんな背景もあって、いつしか「株式市場で渡辺綾子という存在を確立したい!」と思うようになりました。


企業価値の持続的向上に、投資家との対話が必要不可欠

世界的に環境問題や社会課題への対応が企業にも求められるようになってきている中で、日本の企業はESG評価項目や今年度から開示が義務化された人的資本開示項目などの“外形的な評価”を埋めていくのは本当に得意だと感じます。
それを“企業価値”に結び付けて体系を整理し構築できる企業は今までだったら数える程度しかありませんでしたが、今、確実に増えてきており今後はさらに加速するとみています。

私はそういった企業の行動変化を共に推進し、長期的な企業価値の向上に貢献したいと考えています。その根底には「子供たちが未来を感じる国にしたい!」という想いがあります。

ロボットやAIに出来ることはそれらに任せて、“人にしかできないこと”や、“人だからこその強み”を整理し再構築していくことが、労働人口が急速に減少していくこの日本で重要なことだと思っています。
真の競争力を養い、持続的な成長をもたらすような取り組みが増えれば、日本企業の魅力もより伝わり、投資家層を広げることができるはず。そういった面で、あらゆる企業と対話をしてきた私たちファンドマネージャーの見解は必ず役に立つと思っています。

企業は生き物だから、その良さを引き出し、強さを育み、“ファンを増やすこと”=企業価値を上げることを、対話を通して共に行っていきたいです。企業価値を持続的に向上させるためには、企業と投資家の建設的な対話による共創関係が必要不可欠となってきます。
自分の子供が、日本中の子供が、未来を描ける社会にできるよう少しでも役立ちたい!と、私はずっと思っています。


「ママの仕事はファンドマネージャー!」と胸を張って言えるように

出産という大イベントを2回経験したことで考え方が“がらり”と変わりました。大人同士なら言葉も通じるし、話さなくても暗黙の了解でコミュニケーションもできる。時間の分別もあって、相手の迷惑にならない行動をとれるけど子供はそうはいかず、いつも私の思う通りにいかない。
泣きたい時に泣いて、怒りたい時に怒る。トイレもやりたい放題で部屋はどんどん散らかるし、そんな毎日だと自分自身のケアができなくなります。

だから、部屋の掃除はある程度であきらめたし、仕事も復職時はフルタイム勤務をあきらめ、時短勤務だからお給与も少しあきらめました。あとは夫にどう変わってもらうか、なんて気の遠くなることもあきらめました(笑)。夫には具体的に「これをして欲しい」とお願いするようになったかな。思い通りにいかないことに左右され続けるかどうかは自分で選べるので、完璧は求めずうまくバランスを取るようにしています。

仕事では、時短勤務という限られた時間の中でどう成果を出すかを考えて仕事のやり方を変えました。世の中に対して、時間が半分でも同じかそれ以上の成果が出せることを証明したかったし、女性でも活躍している姿を見せたかった。
仕事があるから育児が楽しいし、育児があるから仕事も頑張れる。子供たちがいなかったら今の私はないと言い切れるので、その存在はやはり大きいです。
子供たちと過ごす大切な時間を仕事に充てているので「ママの仕事はファンドマネージャー!」って胸をはれるように日々頑張っています。“働く母の背中”を見て育ってほしいな、って思いながら。
 
Be Active.


プロフィール

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
運用部 バリュー+αグループ シニアファンドマネージャー
渡辺 綾子(わたなべ あやこ)

2017年大和住銀投信投資顧問(現三井住友DSアセットマネジメント)入社。
前職で自動車部品のアナリストとして経験後、現職では中小型アナリストを経てバリュー+αグループのファンドマネージャーとして活躍。
企業との深いコミュニケーションを活かしてグループのエンゲージメントに貢献。また、ジャパンインパクト投資などの新プロダクトの立ち上げにも携わる。

(2023年11月時点)




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