資産運用会社の社長に自身の資産形成やお金についての考え方を聞いてみた
資産運用会社の社長は現在どんな資産に投資をしているのか、また、若手社員だった頃のお金にまつわるエピソードまで、弊社の代表取締役社長兼CEOの猿田にインタビューしました!
金融業界に入ったのは部活動の先輩がいたから!?
――金融業界に入った理由を教えてください。
これは単純、野球部の先輩がいたからです(笑)。その先輩が不動産営業をやっていて、話を聞くと面白そうだなと感じ、自分もやってみたいなと思いました。実際、信託銀行に入社後は、配属された支店で不動産を切り口にした営業をしていました。
――若手社員だったときのエピソードを教えてください。
先ほどの支店時代に、土地を売買する仕事をしていました。思い出深い話としては、食堂兼住宅に飛び込み営業をし、ご飯を食べながら、ちょっといいですか?と。最初は不審がられていたと思いますが、話していくうちにだんだん興味を持ってきてくれて。そしてお客さまにとって非常にいい条件での取引ができました。
そのお客さまとは、いまだに年賀状のやり取りをさせていただいていて、これは自分としても嬉しいことだなと思っています。
――その頃のお金にまつわるエピソードはありますか。
若い時はお金が無かったので、お金を借りて工面していましたね…。ボーナスをもらうまでの6カ月間を何とか食いつないでいく、という生活をしていたのがまさに22-28歳ごろの話ですね。
給与天引きで一定額を貯めていなかったら、何もない状態になっていたと思うので、やっぱりコツコツ積立することって大事だなと改めて思いました。
余裕資金はある程度リスクを取ったものに積立投資
――猿田さんが資産形成を始めたきっかけを教えてください。
当時は先輩や上司から、少しの金額でも給与天引きで貯めておきなさいと言われていたので、その通りにしていました。最初はそれだけでしたね。
ただ、当時は今と違って預金金利が5~6%もあり、それだけでもある程度の利息が付いてきたので充分と感じていました。投資信託や株式投資を個人的に始めたのは、35歳を超えてからでした。
もっと早く今みたいな投資信託の積立などの仕組みがあったらよかったのになあと思います。また、当時は個別企業の割安株投資もやってましたけど、ほとんど失敗しましたね(笑)
――現在はどのような資産形成をされていますか?
子供3人が全員社会人になり、あとは自分のことだけを考えればいいという状況になっているので、余裕資金はある程度リスクを取ったものに積立投資をしています。
DC(確定拠出年金)は、さほど金額が大きくないこともあり、全て新興国株式に投資をするインデックスファンドに積立しています。それ以外では、当社の直販や証券会社で、日本株や海外株のアクティブファンドに投資しています。節税できる制度はフルに使いたいと思っているのでもちろんNISAも活用しています。
今お伝えした通り、余裕資金を比較的リスクの高い資産に投資しているので、ある程度は現金も持つようにしてバランスをとっています。
また個別の株式については、ずっと昔から保有し続けている銘柄のみで、20年くらい塩漬けにしたままです。
――お金や資産形成に関する個人的な考えがあれば教えてください。
資産形成ってまじめに考えなくてはならないのですが、まじめに考えるのがめんどくさいと感じる人も多いと思います。でも長期・積立・分散といった基本さえ押さえてしまえば、そんなに難しいものではないので、まずはやってみて、経験してみることが大事です。
自分の進退を決めてしまうようなお金のかけ方はしないで、まずは少額の余裕資金で始めてみてほしいと思います。
インデックスファンドなら何でもいい、アクティブファンドは全てダメとは思ってほしくない
――現状、投資信託はインデックスファンドを購入する方が多いですよね(当社はアクティブファンドを強みとする会社ですが・・)
私自身もアクティブファンドだけでなくインデックスファンドにも投資しています。
インデックスを常に上回って、リターンを上げていくのって、簡単じゃないというのもわかっているので、一定程度はインデックス投資をする人がいるのはごく当たり前のことだと思います。でもいい運用であればインデックスを上回ることは可能ですし、現実にそういうアクティブファンドは存在しています。
ただ、何のサポートもなしにアクティブファンドで資産形成しましょうよ、とはなりづらいので、インデックス運用の比率はある程度はあって然るべきと思います。
投資には何が良い何が悪いというのはありません。多様な考えを持つ人たちが集まっているのがマーケットなので、様々な投資スタイルや考え方があるというのが通常の状態かなと思います。
――個人投資家の方が資産形成を考える上で、アクティブファンドとどのように向き合っていくのが良いでしょうか。
是非いいアクティブファンドを見つけてほしいと思います。なぜいいファンドなのか、ということまで理解していただきたいです。いいファンドには過去の運用実績だけではなく、その裏付けとなるしっかりとした運用哲学があります。そういった情報については、我々運用会社がどんどん個人投資家の皆さまに直接伝えていかないといけないですね。
またインデックスファンドでも、日経平均とTOPIXでも差があるように、何の指数に連動するファンドを選ぶかで大きな差が生まれます。ですので、インデックスファンドなら何でもいいと思ってほしくはないですし、アクティブファンドは信託報酬が高いからダメとも思ってほしくないです。
信託報酬を十分に上回る超過リターンを上げているアクティブファンドも多く存在しますから。
まずはやってみること、そして続けること。
――最後に、資産形成を始めたいと思っている方へのメッセージをお願いします。
まずは資金的に無理のない範囲で始めてください。そして毎月積立でやってみてください。始めたらやめないでください。余裕ができたら、投資金額を増やしてください。
また、将来使う予定を特定して資産形成をすることはあまりお勧めしません。その時に売却しないといけないという先が見えてしまっているからです。売りのタイミングは、運用のプロでも難しいことですから、まずは期間を決めずに始めていただくのが良いかと思います。
ここからは番外編!
――座右の銘を教えてください。
全力投球と一球入魂ですね。小さいころから野球をやっていたもので。今もずっと頭の中にあります。
――子供のころの夢を教えてください。
プロ野球選手です。小学5年生から野球をやっていたんですけど、高校に入る段階でプロ野球の夢はあきらめてました(笑)
――手元にぽっと100万円渡されたら何に使いますか?
割安な資産への投資に使いたいですね。新興国ですかね。
――猿田さん、ありがとうございました!
猿田 隆
1984年 慶応大学商学部卒、住友信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。2014年野村アセットマネジメント執行役専務。2019年三井住友DSアセットマネジメント副社長。2020年4月より現職。秋田県出身。
◎仕事編インタビューはこちら✨
https://note.smd-am.co.jp/n/n7a08d9c84c53