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今こそ改めて考えたい、長期投資の重要性について

2021年は株式市場にとっては、非常に良い1年間であったと言えるかと思います。12/17現在の年初来の騰落率では、日本の代表的な株価指数であるTOPIXは+10%、米国の代表的な株価指数であるS&P500は+23.0%と上昇していますので、資産を増やすことができた1年になった方も多いのではないでしょうか。一方で11月から12月にかけては、株式市場が大きく変動する局面も見られ、先行きの不透明感が高まっているようにも感じられます。その背景としては「オミクロン型の感染拡大」「米国の金融引き締め(その裏にあるインフレリスク)」等が挙げられ、来年もこれらが株式市場をかく乱する要因となりそうです。

このような状況下において、資産運用をどのように行っていけばいいのか、改めて「長期投資の重要性」をお伝えしたいと思います。

株価の値動きは何で決まる?

 株価は日々目まぐるしく動いていますが、短期的には主に需給によって変動すると言えるかと思います。つまり買いたい人が多ければ株価は上昇し、売りたい人が多ければ株価は下落するということです。そのため、少し株価が上がると「いつまた株価が下がるか分からないため早めに利益確定したい」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで押さえておきたいポイントとしては、株価は短期的には需給で動くものの、中長期的には企業の成長力や本源的な価値が反映されるということです。そのため持続的な企業価値の向上が見込める投資先であれば、日々の株価は様々な要因で上下したとしても、中長期的には株価の大きな成長が期待できます。

株式投資とギャンブルの大きな違いは、株式投資は長期投資をすることで参加した人が全員報われる「プラスサム」であることです。投資対象の成長による価値の増大は、長期投資をする人全員がその恩恵を受けることができます。一方ギャンブルは、自分の利益は他人の損失で成り立つ「ゼロサムゲーム」ですので、それが株式投資とギャンブルの根本的な違いになります。

長期投資の効果

弊社の投資信託(ファンド)を例にとって長期投資の効果を考えてみたいと思います。下図は「アクティブ元年・日本株ファンド」の運用チームが担当する機関投資家向け代表ファンド(以下、FM代表ファンド)の設定来の基準価額の推移です。FM代表ファンドは日本の中小型株に投資するファンドですが、運用を開始した2003年7月から直近2021年12月17日までの約18年半の推移を見ると、その価格は約14倍に成長しています。一方、同期間でTOPIX(配当込み)の価格は約3倍の成長にとどまっています。

その価格差が生じた背景としては、大企業の割合が高いTOPIXに比べ、FM代表ファンドの投資先である中小型の企業の成長力が高かったためと考えられます。長期投資で資産を大きく増やしていくためには、「投資対象が持続的な成長が期待できる先であるかどうか」を考えることが重要と言えます。

ただ同ファンドの長い運用期間をつぶさに見ていくと、価格が上昇した年もあれば、逆に下落した年もあります。成長力が高い企業に投資をしていても、様々な要因により株価が下落してしまうということは短期的にはよく見られるからです。
また価格が上昇した年にだけ同ファンドに投資し、下落する前に売り抜けるようなこと(いわゆる短期的な売買)ができればいいのですが、残念ながら将来を確実に見通すことは不可能であるため、実践することは容易ではありません。仮にそのような投資行動が何回か成功したとしても、失敗も避けられず、トータルで考えるとトントンで終わってしまうといったこともよくある話です。
そのため中長期的に大きな運用成果を上げていくためには、短期売買を繰り返すのではなく、ある程度のマイナスを許容しながら、大きく上昇する局面で投資を継続すること、つまり長期投資を我慢強く実践できるかどうかがポイントと言えるでしょう。

【FM代表ファンドとTOPIXのパフォーマンスの推移】

グラフ

※1 2003年6月末(FM代表ファンドの設定日の前日)~2021年12月17日。
※2 FM代表ファンドは、「アクティブ元年・日本株ファンド」と同じ運用チームが担当する「国内中小型マザーファンド」の実績から当ファンドの信託報酬(年1.078%、税込み)を控除して算出。
※3 比較対象はFM代表ファンドのベンチマークであるTOPIX(配当込)を使用。2003年6月末を10,000として指数化。
※4 上記は過去のデータであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
(出所)FactSetのデータ等を基に三井住友DSアセットマネジメント作成


長期投資への向き合い方

足元の株価の値動きは、資産運用を始めて間もない方にとっては、初めての大きな調整で、不安感が高まっているかもしれません。ただし株式市場が荒れている時でも、ブレずに投資行動を変えないことが長期的に運用成果を上げることの大前提となります。そうはいっても不安な気持ちは誰しもが感じることだと思いますので、その際には金融機関が開催するセミナー等に参加し、マーケットの変動要因を理解したり、保有する投資信託の運用状況を確認したりすることをお勧めします。そこで納得感が得られれば、長期投資を継続するための心理的な後押しにつながるのではないかと思います。
しばらくはマーケットも悪天候が続くかもしれませんが、そういう時こそ長期投資の重要性を改めて思い出していただき、慌てることなく腰を据えて進んでいきましょう。

★アクティブ元年・日本株ファンド
 ファンド詳細:https://direct.smd-am.co.jp/fund/active/
 投資リスクと費用等(交付目論見書):https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/180509k.pdf

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