保有している投資信託の直近の状況を知りたい!【月次レポートの見方】
購入後の投資信託がどのように運用され、その結果どうなったかは、決算期ごとに作成・送付される「運用報告書」によって確認できることを前回記事にてご紹介いたしました。
★運用報告書の見方
https://note.smd-am.co.jp/n/na52ac89278cc
しかし、運用報告書は年1回、もしくは年2回の作成であるため、投資信託の中長期の運用実績の確認をする上では問題ありませんが、直近の運用状況を知るには充分ではありません。
保有している投資信託の今の状況をタイムリーに知るには運用会社のHPに掲載されている月次レポートが便利です。今回は月次レポートの見方や注目すべきポイントを解説していきます。
月次レポートとは?
月次レポートとは、投資信託の運用状況を定期的に投資者の皆さんが確認できるように運用会社が毎月発行しているレポートです。常に変化する市場動向に対し、投資信託がどのように運用され、今後どのように運用していく方針なのかを毎月確認することができます。
運用会社によって月次レポート、月報、マンスリーレポートなど様々な名称があります。
目論見書、運用報告書との違い
「目論見書」は投資信託を購入する際に、販売会社から直接もしくは電子交付により受け取る書類であり、ファンドに関する基本的な情報が記載されています。
「運用報告書」には一定期間における投資信託のパフォーマンスや組入銘柄、かかったコストの内訳、今後の運用方針などが記載されています。
一方で「月次レポート」は投資信託の運用状況が確認できるレポートですが、目論見書、運用報告書に比べて運用会社ごとの特徴が出やすく、情報を充実させ投資者へより詳細な情報を分かりやすく提供するための工夫がされています。
それぞれの書類がどんなもので、いつ交付されるか、まとめた表を掲載しますので整理してみてください。
月次レポートのチェックポイント
月次レポートには投資信託の運用実績と分配実績、組み入れられている資産の種類とその割合、運用実績や市場動向に対する運用担当者のコメントが主に記載されています。必要記載事項は規定されていますが、どの運用会社のレポートでも全て同じ項目が記載されているわけではありません。運用会社独自の情報を記載することもあります。
では今回も三井住友DS投信直販ネットの専用ファンド「アクティブ元年・日本株ファンド」を例に挙げて、実際の月次レポートを順番に確認していきましょう!
(参考) 「アクティブ元年・日本株ファンド」月次レポート
https://www.smd-am.co.jp/fund/180509/report/monthly/
◎運用概況
運用概況
投資者のみなさまが最も気になる基準価額、騰落率が真っ先に確認できます。直近1カ月の結果を確認してから、その理由や要因の確認へと読みすすめていきます。
基準価額・純資産総額の推移
投資信託の値段にあたる「基準価額」、投資信託が組み入れている資産等の合計額である「純資産総額」の推移がグラフで確認できます。
基準価額・純資産総額
月次レポートの作成基準日時点での基準価額と純資産総額が確認できます。
騰落率(税引前分配金再投資)
一定期間の始めと終わりで基準価額がどれだけ変化したかを表す指標である騰落率は、直近1カ月だけではなく3カ月、6カ月、1年、3年、設定来と中長期的な値動きも確認することができ、さらに、ベンチマークや参考指数を設けているファンドは、指数に対してその投資信託の運用が上回る実績か、下回る実績か、期間ごとに比較できるように記載されています。
最近の分配実績
運用で得られた収益を決算ごとに投資者に分配する分配金がいつ、どのくらい支払われたか確認できます。分配実績の背景に関して詳細を知りたい場合は運用報告書で確認することができます。
【ご参考】「アクティブ元年・日本株ファンド」交付運用報告書(抜粋)
資産構成比率
投資信託が保有する資産の割合が前月比を含めて確認できます。株式に投資する投資信託の場合、どういった市場に上場する企業の割合が多いのか、またその割合の前月比を知ることができます。
◎基準価額の変動要因
基準価額が変動した要因について全体、業種別、銘柄別で具体的に寄与した金額が確認できます。
後述のファンドマネージャーコメントで、個別銘柄の状況や組入業種、組入銘柄が結果としてどのように基準価額に影響を及ぼしているか確認することで理解が深まります。
◎ファンドマネージャーコメント
「アクティブ元年・日本株ファンド」では運用担当者の顔写真とともにコメントが記載されており、運用経過について経済や市場動向を踏まえた解説を確認できます。運用担当者がどのような考えで運用しているか知ることで、大切なお金を預けることができるかの判断につなげることができます。
「アクティブ元年・日本株ファンド」の月次レポートの特徴的な内容として、今回は「セミナーでのよくある質問」が記載されています。
既に投資信託を保有している人だけでなく、投資に二の足を踏む人の疑問が解消されるように分かりやすく記載されています。
(参考) 投資リスクと費用等(交付目論見書)
https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/180509k.pdf
◎組入上位10業種
ここでは、投資信託が組み入れている銘柄の業種比率について前月比で確認ができます。
月次レポート以外に運用報告書(全体版)でも確認することができますが、運用報告書(全体版)が年1回あるいは年2回の発行に対して、月次レポートは毎月ですので直近情報を確認できる貴重なツールであるといえます。
▶用語「運用報告書(全体版)」
運用報告書は2種類あります。特に重要な項目をまとめた「交付運用報告書」と、記載すべき事項のすべてを確認できる運用報告書(全体版)の2種類があります。
交付運用報告書は販売会社を通じて投資者に必ず交付されるのに対して、運用報告書(全体版)は各投資信託の運用会社HP等で確認することが可能です。
(参考) 「アクティブ元年・日本株ファンド」運用報告書(全体版)
https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/180509_20200120z.pdf
◎組入上位10銘柄
実際に自身の大切なお金がどのような銘柄に投資されているか確認できるため、投資信託に対する理解度が増します。
毎月の月次レポートをチェックすることで、組入銘柄・銘柄数の変化等も確認でき、また他の投資信託のレポートと比較すればどのような違いがあるのかも確認できます。
◎市場動向
市場動向に対しての解説、株価指数の推移、株価指数の業種分類別の月間騰落率を確認することができます。保有する投資信託を取り巻く市場環境を確認することも大切です。
▶用語「TOPIX」
東証株価指数とも呼ばれる日本を代表する株価指数です。
東京証券取引所第1部に上場しているすべての銘柄(内国普通株式)の時価総額を加重平均して指数化し、株式市場全体の動向を捉えようとするものであり、株式会社東京証券取引所が算出、公表を行っています。
◎市場見通し
今後の市場見通しについて、運用会社の見解を確認することができます。
◎委託会社・その他の関係法人等
委託会社、関係法人とその役割について確認することができます。
その他の運用状況確認方法(運用報告動画・セミナー・各種SNS 発信など)
運用会社は月次レポート以外でも様々な手段で情報発信していますので、是非活用してみましょう。
運用会社では、取り扱いファンドに関してだけではなく、資産形成の基礎的な内容、最近の市場動向等、様々なテーマでセミナーを開催しています。運用会社の中の人の顔が見えて、生の声を聞くことができれば、より安心感が得られることもあるでしょう。レポートだけでは伝わらない、運用会社の想いを直接確認してみてはいかがでしょうか。
また、最近はオンライン開催も多く参加しやすくなっていますので、興味のありそうなテーマの回にまずは参加してみるのもおすすめです。
★投信直販ネット セミナー開催情報
https://direct.smd-am.co.jp/seminar/
今や日々の生活になくてはならない存在のSNS。情報収集のツールとして使用している方が多いのではないでしょうか。最近では、YouTube、Facebook、Twitter、note等で情報発信している運用会社も多いので、ご自身がよく使用するSNSで資産形成の情報収集をすることが可能です。
例えば、三井住友DS投信直販ネットで行っているSNSを例にご説明します。「月次レポートをこまめに見る時間が取れない」という方はYouTubeで配信されている運用報告動画で最新の状況を確認したり、「まだ投資自体が初心者で何から始めればいいかわからない」という方はnoteのコラムで投資信託の基礎知識を学んだりすることができます。
自身が得たい情報は何か、どんなSNSだったら気軽に見ることができるかを踏まえ、運用会社の企業アカウントで情報をチェックしてみましょう!
★投信直販ネットSNS一覧
・twitter https://twitter.com/direct_smd
・Facebook https://www.facebook.com/direct.smd/
・YouTube https://www.youtube.com/channel/UCSJojrtjZQC2zKSinwII3gQ
・note(当アカウント)https://note.smd-am.co.jp/
まとめ
月次レポートは比較的タイムリーにファンドの運用状況を確認することができます。自身の保有する投資信託の運用状況をこまめにチェックすることで、現状を正確に把握できたり、運用担当者の考えなどを確認することが可能となります。運用会社ごとの特徴がでやすい側面がありますので、各社のレポートを見比べてみるのも面白いかもしれません。
目論見書、運用報告書と合わせて読むことで、保有ファンドのことをより理解していきましょう!
★交付目論見書の見方
https://note.smd-am.co.jp/n/na52ac89278cc
★運用報告書の見方
https://note.smd-am.co.jp/n/n58fbdec38dda