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【イベント開催レポート】 「まだ間に合う!新しいNISAの勉強会」(前編)

2023年12⽉12⽇(火)に当社24階カフェテリアにて、東京証券取引所様との共同開催セミナー「まだ間に合う!新しいNISAの勉強会」を開催しました。
新しいNISAに関心を寄せる多くの個人投資家が集まり、盛り上がりをみせた講演内容についてご紹介いたします。前編・後編併せてご覧ください!
 
前編は東京証券取引所吉田氏の講演パートとなります!

| 前半パート 講演者紹介

株式会社東京証券取引所
金融リテラシーサポート部課長 吉田 貴弘(よしだ たかひろ)氏

 【前半パートのスタート!】

吉田氏から来場者に向けて投資をすでにしているか、またしている方については個別株への投資をしているか?について質問。半分くらいの方がすでに投資している、と回答していました。

― そもそも投資って何?投資する必要ある?

吉田氏:最近の物価上昇について、報道やご自身の生活の中で実感しておられるかと思います。実際に、今年(2023年)の10月は、2020年10月と比べて、7%くらい物価が上昇しています。そして、このような物価上昇が続くと、いわゆる「インフレ」となる。正確にいうと「インフレーション」ですね。「インフレ」とは、継続的な物価上昇のことをいいます。また、「インフレ」のポイントは、物価が上がると同時に貨幣の価値が下がるということです。
 
ではここで「インフレ」について、具体例で考えてみましょう。みなさんが1年後に100万円の自動車を買いたいとすると、分かりやすいのはお金をコツコツ100万円貯めることになりますよね。でも、仮に1年間で10%の物価上昇があったとすると、自動車の値段は1年後には110万円となるので、110万円貯めないといけなくなります。言い換えると、貨幣の価値が低減しているとも言えます。日本の過去20年、30年は「デフレ」と言われていますが、「デフレ」では、貨幣の価値は高まるので、現金(預貯金)で持っていても良いということです。つまり、過去20年、30年は(金融資産の保有方法としては)預貯金でもよかったんですね。
 
ここで、みなさんにクイズです。以下の円グラフのうち、日本の家計の金融資産の構成を現したものはどれでしょうか。

正解は(1)です。先ほど少し触れたように、日本の家計は半分以上(約54%)が預貯金として金融資産を保有しているということがデータでも明らかにされていますね。それに比べて、(2)のアメリカの家計では、半分以上(約52%)が有価証券で保有しているのです。ちなみに、(3)が「欧州」の家計の金融資産の構成を表したものになります。
 
そして、このような円グラフの保有状況が長期間続くとすると、アメリカ家計の金融資産は3.4倍に増える一方、悲しいですが、日本は1.4倍にしかならないことがわかりますね。

― 株主の正体って・・・・?

吉田氏:投資をまだ始められていないという方にとっては、そもそも「投資をする」ことのイメージが湧かないかもしれません。
私がここでお伝えしたいのは、実は“既に日本企業の株主”かもしれないということです。つまり、間接的にはすでに「投資」をしているかもしれないことを知ってほしいです。
 
例えば、これは皆さんもご存じのパナソニックホールディングス株式会社の株主名簿です。

ここには機関投資家の保有分が並んでいますね。機関投資家には、「日本生命保険」や「住友生命保険」といった保険会社の名前がありますね。みなさんの中には毎月生命保険料の支払いをされている方もいらっしゃるかと思いますが、そのような保険料の支払などを通して間接的にみなさんもマーケットに参加していることを認識してほしいのです。

― 投資の社会的意義って?

吉田氏:投資をする目的の第一は、資産を増やしたいってことかもしれません。それも全くの正解です。しかし、せっかく投資をするのであれば、投資の社会的意義についても意識してもらいたいと思います。先ほども指摘しましたが、東証では1日3兆円もの取引がされていて、この取引によって生み出される「好循環」にみなさんも参加してもらいたいと思います。言い換えると、投資している金額はたとえ少なくても、社会全体でいいことが起こる(好循環)のです。
良いものを作っている会社には投資する人が増えれば、より良いものを作ることができる、その会社の成績が上がり、株価も上がって、投資している人の配当金が増える、あるいは、その会社の社員さんの給料が上がる、など、社会に還元されることになる。このような好循環が、みなさんがマーケットに参加することによって、みなさんの力で生まれているということを認識してほしいですね。
 

― マーケットの見方・マーケット感覚を身に着ける 

吉田氏:みなさんにクイズです。現在手元にある「100万円」を銀行の普通預金(金利0.001%)に預けた場合、2倍となる「200万円と」なるのに何年かかるでしょうか。
 
この問いに答えるのに便利な法則があるので、ご紹介すると、「72の法則」といって、「72」を「金利」で割り算すると、「元金が2倍になるおおよその年数」が求められるのです。
そこで、「72の法則」を使って、先ほどのクイズを考えてみると、72÷0.001=72,000年かかることがわかります。今回は「72の法則」をお金が増える文脈で使ってみましたが、住宅ローンなどお金を借りる場面での金利の計算にも汎用的に使えて便利なのでぜひ覚えておいてください。
 
かの有名なアインシュタインは「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」という名言を残しています。なんだか「複利」って重要そうだなぁと感じられるでしょうか。
 
「複利」とは、よく雪だるま式に(お金が)増えていくことと言われますね。ここで、単利との比較を見てみましょう。具体的に、金利が10%だと想定した場合、単利だと、1年目は、100万円の元本に、(元本に10%の金利が付き、)10万円の金利増加分が加わった110万円、2年目は金利増加分が20万円となる結果、120万円になります。一方、複利の場合、1年目が110万円なのは変わりないのですが、2年目は元本ではなく、110万円に金利が付くことになるので、121万円ということになります。
 
もっと具体的にシミュレーションしたのが下記のグラフになります。毎月3万円の積み立てを、年利4%、複利で、35年間運用した(投資した)場合、2750万円になります。一方、単利で同じ期間運用した(貯蓄した)場合には、1260万円にしかならず、その差額は1490万円にもなるんです。
なお、実際には、マーケットは変動するので年利(利回り)4%が一定に推移することはありません。例えば、10%マーケットが上がる年もあれば、5%下がる年もあるのが現実です。

 
さきほどから金利というワードが出てきていますが、金利の推移を50年のスパンで見たときのグラフがこちらになります。

皆さんのような「現役世代」をベースに考えて、あくまでイメージですが「親世代」や「祖父母世代」が現役だった期間をプロットしてみました。ここから分かるのは「親世代」だと、金利は4%、5%だったので、先ほど紹介した「72の法則」に従うと、18年(=72÷4)で2倍になるんですね。すなわち、親世代であれば、定期預金をしてさえおけば、資産は2倍に増えていたのです。しかし、金利がとても低い我々世代ではそのようにはいかない。この事実をみなさんにはしっかり覚えておいていただき、金融リテラシーを高めて行ってほしいと思います。
 

― 金融リテラシーの重要性

通常の投資セミナーでは投資をして資産を増やしましょうといった文脈が多いと思いますが、東証の立場からは(資産を)守りましょうといった文脈についても提言させてください。皆さんに覚えてほしいのは、リスクとリターンは比例するということです。これはどの時代、世界でも共通することで、絶対に変わりません。

預貯金は、リスクも低いのでリターンも低い。一方、株式は、リスクは商品によって異なり、それなりに高いけど、一方で得られるリターンも大きいです。繰り返しになりますが、リスクとリターンは比例するので低リスク高リターンな商品は存在しません。ですので、投資セミナー等で「元本保証で毎月〇%の利回りがあります!」など低リスク高リターンの商品を売りつけてくる話の場合は、詐欺を疑ってください。みなさんには危険察知して金融リテラシーを高めてほしいなと思います。

― インデックス?アクティブ?

最後に、後編のお話につなげるために、投資信託(ファンド)のお話をさせてください。投資信託(ファンド)については、「箱」をイメージしてください。箱に入れる金融商品によって特徴が変わってきます。ファンドは、特徴ごとに「インデックスファンド」と、「アクティブファンド」の2種類に分けられます。
 
「インデックスファンド」は、日経平均やS&P500といった指数に連動するファンドです。指数に連動するので、企業調査のコストがかからない一方で、どこで買ってもだいたい同じという特徴があります。
 
「アクティブファンド」は、「箱」に何を入れるかによって、日経平均やTOPIXを上回るようなファンドを目指すものです。「箱」に何を入れるかは、ファンドマネージャーの手腕や個性による。そして、ファンドマネージャーが「箱」に何を入れるかを決定するには企業調査する必要があるので、コストがかかりますよね。一方で、ファンドマネージャーが運用する(選ぶ)商品によって、運用成績が異なるので、どの商品(ファンド)を買うか、が重要になってくるという特徴があります。
 
会場である三井住友DSアセットマネジメント㈱は、「Be Active.」のキャッチコピーにあるように、「アクティブファンド」の運用に力を入れているのではないでしょうか。
私の話はここで終了させていただきます。本日はご清聴ありがとうございました。
 
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前編は、投資の基礎知識を学べるパートになりました。後編では、当社・デジタルマーケティング部水上から「新しいNISA」の基礎知識についてお話したパートをお届けいたします。

★後編はこちら
【イベント開催レポート】 「まだ間に合う!新しいNISAの勉強会」(後編)|三井住友DSアセットマネジメント (smd-am.co.jp)

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